結論|小売・卸売のAI活用は、在庫・受発注・売上情報の一元化から始めるのがおすすめです
先に結論からお伝えすると、小売・卸売業がAIを活用する際は、在庫、受発注、売上といった情報をバラバラに管理している状態から、一元化することを目指すのがおすすめです。
すでに使っている在庫管理・販売管理サービスで十分に対応できる業務があれば、無理に新しいシステムへ置き換える必要はありません。また、最初からすべての商品を新しい仕組みへ移行するのではなく、一部の商品や業務から試しながら進めることをおすすめします。
必要な機能は、取扱商品数や拠点数、取引先数によって異なります。まずは自社のどこに手間がかかっているかを整理するところから始めてみてください。
小売・卸売業でAIが注目される理由
小売・卸売業では、在庫管理、受発注、請求書作成、売上集計など、数字の管理に関わる業務が数多くあります。取扱商品数や取引先数が増えるほど、確認や集計にかかる時間も増えていきます。
在庫数を目視やExcelで管理していると、正確な数量を把握するのが難しくなり、発注のタイミングを逃したり、欠品や過剰在庫が発生したりすることがあります。
受発注のやり取りを電話やFAXで行っていると、記録として残りにくく、確認や再連絡の手間が発生しやすくなります。請求書の作成も、取引先ごとに手作業で行っていると、毎月一定の時間がかかります。
近年は、こうした在庫・受発注・売上管理に特化した業務アプリやAIツールが増えており、大がかりなシステムを導入しなくても、必要な範囲だけを効率化できる選択肢が広がっています。ただし、すでに在庫管理・販売管理サービスを導入している場合、その機能で十分に対応できるのであれば、無理に新しいシステムを導入するよりも、既存のサービスを活用する方が合理的です。
小売・卸売業でよくある業務上の課題
具体的な活用方法を見る前に、小売・卸売業の現場でよく聞かれる業務上の課題を整理しておきましょう。
在庫数の把握がExcelや目視に頼っている
在庫数をExcelへの手入力や目視で確認していると、実際の在庫と記録にずれが生じやすく、正確な数量を把握するのが難しくなります。
受発注のやり取りが電話やFAXで属人化している
受発注を電話やFAXで行っていると、記録として残りにくく、担当者によって対応方法が異なることもあります。確認や再連絡の手間も増えます。
請求書の作成に毎月時間がかかる
取引先ごとに請求内容をまとめ、請求書を手作業で作成していると、毎月一定の時間がかかります。
売上データの集計・確認に手間がかかる
日々の売上や利益を確認するために、その都度データを集計していると、必要なときにすぐ確認できません。
小売・卸売業でAIを活用できる業務
前述のような課題に対して、AI・業務アプリは次のような業務で活用できます。それぞれの業務を個別に効率化することもできるため、必要な範囲から取り入れることが可能です。
在庫管理
在庫数や入出庫状況を可視化することで、実際の在庫と記録のずれを減らしやすくなります。
入出庫管理
入出庫の記録をアプリ上で管理することで、在庫数の把握や確認の手間を減らせる可能性があります。
受注管理
受注内容を1つの画面で管理することで、確認漏れや対応漏れを防ぎやすくなります。
発注管理
発注状況や発注タイミングを可視化することで、発注判断をしやすくすることを目指せます。
請求書作成
取引先ごとの請求内容をもとに、請求書を効率的に作成できる仕組みを取り入れることで、毎回の作成にかかる時間を減らせる可能性があります。
売上管理
日次・月次の売上をダッシュボード形式で確認できるようにすることで、集計にかかる手間を減らしやすくなります。
利益管理
売上と原価をあわせて管理することで、利益の把握をしやすくすることを目指せます。
商品別分析
商品やサービス別の売上構成を確認できるようにすることで、売れ筋や在庫の傾向を把握しやすくなります。
| 業務 | 現在の管理方法 | 業務アプリでできること | 目指せる変化 |
|---|---|---|---|
| 在庫管理 | 紙・表計算・目視 | 在庫数・入出庫状況の確認 | 発注判断をしやすい |
| 受発注管理 | 電話・FAX | 受発注情報の一元管理 | 確認漏れを防ぎやすい |
| 請求書管理 | Excel・手入力 | 請求書作成・PDF出力 | 作成時間を減らしやすい |
| 売上管理 | POS・Excel・手計算 | 日次・月次・推移表示 | 状況を把握しやすい |
| 商品分析 | Excel・個別集計 | 商品別売上構成の確認 | 傾向を把握しやすい |
具体的なAI活用例
掲載している画面・機能は、導入方法をご紹介するための活用例です。
在庫・受発注管理アプリ
- 在庫数・入出庫状況の確認
- 発注状況の一覧管理
- パソコン・スマートフォン両方での確認
- 発注タイミングの把握
在庫確認や発注判断にかかる手間を減らし、欠品や過剰在庫のリスクを減らしやすい状態を目指します。
請求書作成システム
- 取引先ごとの請求内容の管理
- 請求書の作成・PDF出力
- 入金状況の管理
- 過去の請求履歴の確認
毎月の請求書作成にかかる時間を減らし、確認や管理をしやすくすることを目指します。
売上ダッシュボード
- 日次・月次の売上の自動集計
- 商品・サービス別の構成表示
- 利益の確認
- スマートフォンからの確認
集計作業にかかる時間を減らし、売上状況をすぐに確認できる状態を目指します。
AI導入で期待できる変化
在庫や受発注、請求書、売上の管理にAI・業務アプリを取り入れることで、次のような変化が期待できます。効果の度合いは取扱商品数や取引先数によって異なるため、あくまで一般的な傾向としてご参考ください。
在庫確認の手間を減らしやすい
在庫数をリアルタイムに近い形で把握できるようにすることで、確認にかかる手間を減らしやすくなります。
受発注のやり取りを整理しやすくなる
電話・FAXでのやり取りを記録として残しやすくすることで、確認や再連絡の手間を減らせる可能性があります。
請求書作成にかかる時間を減らしやすい
取引先情報をもとに、効率的に請求書を作成できるようにすることで、毎月の作業時間を減らしやすくなります。
売上状況をすぐ確認できる
集計作業を減らし、必要なときにすぐ確認できるようにすることを目指せます。
必要な機能だけ導入できる
すべての業務を一度にシステム化する必要はありません。在庫管理だけ、あるいは請求書作成だけといった形で、必要な機能から段階的に導入することもできます。
AI導入前に確認したい注意点
AI・業務アプリの導入を検討する際は、良い面だけでなく、事前に確認しておきたい点もあります。
既存の在庫管理・販売管理サービスで足りるか確認する
すでに在庫管理や販売管理のサービスを導入している場合、その機能で十分に対応できる業務であれば、無理に新しいシステムへ置き換える必要はありません。まずは今使っているサービスでできることを確認することをおすすめします。
商品数、拠点数、取引先数を整理する
必要な機能は、取扱商品数や拠点数、取引先数によって異なります。導入を検討する前に、自社の規模や運用状況を整理しておくことをおすすめします。
バーコードやPOSとの連携は仕様確認が必要
既存のバーコードシステムやPOSレジとの連携については、機種やデータ形式によって対応可否が異なります。確認前に連携できると断定することはできません。
最初からすべての商品を移行しない
一度にすべての商品や取引先を新しい仕組みへ移行しようとすると、現場が混乱しやすくなります。まずは一部の商品や業務から試しながら、運用に合わせて広げていくことをおすすめします。
在庫データの入力ルールを統一する
在庫データの入力方法や単位がスタッフごとに異なっていると、正確な在庫把握が難しくなります。導入前に入力ルールを統一しておくことをおすすめします。
既存の在庫管理・販売管理サービスで十分に対応できる場合は、無理にオーダーメイドの開発をおすすめすることはありません。バーコードやPOSとの連携については、仕様確認が取れた場合のみご案内します。
マダナイ?に相談できること
「何から始めればいいかわからない」という場合も、まずは現在の業務内容を教えていただくところから始められます。マダナイ?では、以下のような内容をご相談いただけます。
- 現在の在庫・受発注・請求書・売上の管理方法の確認
- 手作業が多い業務の洗い出し
- 既存の在庫管理・販売管理サービスで解決できるかの確認
- 必要な機能の優先順位整理
- 画面と操作方法の設計
- 一部の商品・業務からの導入
- 公開後の改善
すでにあるサービスで解決できる場合は、無理にオーダーメイドの開発をおすすめすることはありません。「まだない」を「もうある」へ。自社に合う仕組みがまだない場合にこそ、一緒に整理するところから始めます。
よくある質問
Q. 取引先が多くても管理できますか?
はい。取引先数に応じて管理しやすい形をご提案します。
Q. 既存のExcel在庫表から移行できますか?
はい。現在の管理項目を確認し、移行方法をご案内します。
Q. 卸売と小売、両方の業務に対応できますか?
はい。業務内容を伺ったうえで、それぞれに合った管理方法をご提案します。
Q. バーコードやPOSレジと連携できますか?
機種やデータ形式によって対応可否が異なります。現在お使いのシステムを確認のうえご案内します。確認前に連携可能と断定することはできません。
Q. 請求書のフォーマットは指定できますか?
現在お使いのフォーマットを確認し、近い形で作成できるようご提案します。
Q. 小さな店舗・会社でも導入できますか?
はい。取扱商品数や取引先数が少ない場合でも、必要な機能だけを選んで導入いただけます。
Q. 導入期間はどれくらいですか?
必要な機能の範囲によって異なります。具体的な期間については、業務内容を伺ったうえでご案内します。
Q. 料金はどのように決まりますか?
必要な機能の範囲や取扱商品数・取引先数によって異なります。現在の業務内容を伺ったうえで、料金の目安をご案内します。
まとめ
小売・卸売業では、接客や仕入れ以外にも、在庫管理、受発注、請求書作成、売上集計など、数字に関わる業務が数多くあります。
すべてをAI化する必要はありません。在庫、受発注、請求書、売上など、手間がかかっている業務を一つずつ整理するだけでも、日々の確認作業を減らせる可能性があります。既存のサービスで十分な業務は活かしながら、自社の運用に合わない部分だけを補っていくという考え方が、無理のない進め方につながります。
大切なのは、最新のAIを導入することではなく、自社の業務に合う仕組みを作ることです。日々の確認作業にかかる時間を減らし、本来の業務に向き合える時間を増やすために、まずは現在の業務を整理するところから始めてみてください。