結論|最初に見直したいのは「時間のかかる単純作業」です
先に結論からお伝えすると、AI導入を検討する際に最初に見直すべきは、内容が複雑な業務ではなく、時間がかかっている単純作業です。
シフト作成、予約確認、書類作成、顧客情報の管理、売上や在庫の集計など、多くの会社で共通して発生しやすい業務は、比較的小さな仕組みからでも効果を感じやすい領域です。
すべての業務を一度に見直す必要はありません。まずは1つか2つの業務に絞り込み、効果を確認しながら少しずつ広げていくことをおすすめします。
次の章から、なぜ業務を絞り込むことが大切なのか、そして具体的にどの業務から見直すとよいかを見ていきましょう。
なぜ「全部」ではなく「最初の業務」を選ぶことが大切なのか
AI導入を検討し始めると、あれもこれも効率化したいという気持ちになりやすいものです。しかし、一度にすべての業務をシステム化しようとすると、現場が混乱したり、費用や期間が想定以上に膨らんだりすることがあります。
また、業務によっては既存サービスで十分対応できるものと、自社独自の対応が必要なものが混在しています。一度に見直そうとすると、この違いを見極める余裕がなくなってしまいます。
まずは1つの業務に絞って取り組むことで、効果を確認しながら、次に見直すべき業務の優先順位も見えやすくなります。
最初に見直したい業務5選
ここからは、多くの小さな会社に共通して見直す価値のある業務を5つご紹介します。自社に当てはまるものがないか、確認してみてください。
1. シフト・勤怠管理
スタッフの希望を紙やLINEで集め、手作業で調整している場合、シフト作成には想定以上の時間がかかりがちです。希望の提出から確定までを一つの仕組みで完結できると、調整の手間を減らせる可能性があります。飲食店での具体例は飲食店でAIを活用する方法でもご紹介しています。
2. 予約・問い合わせ対応
電話、予約サイト、SNSなど複数の窓口から予約や問い合わせが入る場合、確認漏れやダブルブッキングが起きやすくなります。窓口を一元管理できる仕組みを整えることで、確認の手間を減らせる可能性があります。
3. 見積書・請求書などの書類作成
毎回ゼロから見積書や請求書を作成していると、件数が増えるほど作業時間がかさみます。テンプレートをもとに作成できる仕組みを取り入れることで、書類作成にかかる時間を減らせる可能性があります。
4. 顧客・案件管理
顧客情報や案件の進捗を、紙やExcel、担当者の記憶に頼って管理していると、引き継ぎや確認に時間がかかります。情報を一つの画面で確認できるようにすることで、確認漏れを防ぎやすくなります。
5. 売上・在庫の集計
売上や在庫をレジや紙、Excelで別々に管理していると、状況を把握するたびに集計作業が発生します。数字を一つの画面で確認できるようにすることで、集計の手間を減らせる可能性があります。
| 業務 | よくある状態 | まず確認したいこと |
|---|---|---|
| シフト・勤怠管理 | 紙・LINE・Excelで手作業調整 | 希望提出から確定までの流れ |
| 予約・問い合わせ対応 | 電話・予約サイト・SNSが別々 | 窓口ごとの確認方法 |
| 書類作成 | 毎回ゼロから作成 | 作成頻度と所要時間 |
| 顧客・案件管理 | 紙・Excel・記憶に依存 | 引き継ぎ時の確認方法 |
| 売上・在庫の集計 | レジ・紙・Excelが別々 | 集計の頻度と所要時間 |
業務を選ぶときの判断基準
5つの業務のうち、どれから着手すればよいか迷う場合は、次の基準で考えてみてください。
もっとも時間がかかっている業務を選ぶ
複数の業務に手間がかかっている場合は、もっとも時間を取られている業務から着手すると、効果を実感しやすくなります。
複数人が関わる業務を優先する
担当者一人で完結する業務よりも、複数のスタッフが関わる業務の方が、情報共有の仕組みを整えることで得られる効果が大きい傾向があります。
ミスや漏れが起きやすい業務を優先する
確認漏れやダブルブッキングなど、ミスが起きやすい業務は、優先的に見直す価値があります。
見直す際に注意したいこと
業務を見直す際は、次の点にも注意してください。
既存サービスで対応できないか、先に確認する
業務によっては、既存のサービスで十分対応できることがあります。オーダーメイドでの開発を検討する前に、まずは既存サービスで代用できないかを確認しましょう。
一度に複数の業務を変えようとしない
複数の業務を同時に見直そうとすると、現場が混乱しやすくなります。まずは1つの業務で効果を確認してから、次の業務に取り組むことをおすすめします。
現場の意見を聞いてから進める
実際にその業務を担当しているスタッフの意見を聞かずに進めると、使いにくい仕組みになってしまうことがあります。現場の声を反映しながら進めることが大切です。
業種別の具体的な活用例は業種別AI活用事例でもご紹介しています。自社の業種に近い事例があれば、あわせてご参照ください。
既存サービスとオーダーメイド、どちらで対応するか
見直したい業務が決まったら、次はその業務を既存サービスで対応するか、オーダーメイドで開発するかを検討します。多くの場合、まずは既存サービスから検討することをおすすめします。
複数の業務をひとつの画面でまとめたい場合や、自社独自の運用フローがある場合は、オーダーメイド開発を検討する価値があります。判断基準の詳細はAI導入はオーダーメイドと既存サービス、どちらを選ぶべき?、費用感の目安はAI開発の費用相場|オーダーメイドと既存ツールを比較でも解説しています。あわせて、業務を見直す前に社内でAI研修を行う場合は、AI研修は補助金・助成金で実質負担が約4分の1になることも?も参考になります。
マダナイ?に相談できること
「どの業務から見直せばいいかわからない」という段階でも、まずは現在の業務内容を教えていただくところから始められます。マダナイ?では、以下のような内容をご相談いただけます。
- 現在の業務の洗い出しと整理
- 優先的に見直すべき業務の判断
- 既存サービスで対応できるかの確認
- 小さな範囲からの導入プランのご提案
- 効果を確認しながらの段階的な拡張
5つすべてを一度に見直す必要はありません。「まだない」を「もうある」へ。何から始めればいいかがまだ見えていない場合にこそ、一緒に整理するところから始めます。
よくある質問
Q. 5つの業務のうち、どれから始めるのがおすすめですか?
決まった正解はありませんが、もっとも時間がかかっている業務、複数人が関わる業務、ミスが起きやすい業務のいずれかから着手すると、効果を実感しやすい傾向があります。
Q. 5つ全部を見直す必要がありますか?
いいえ。すべてを見直す必要はありません。自社に当てはまる業務、特に手間がかかっている業務から、1つずつ取り組むことをおすすめします。
Q. 既存サービスと自社開発、どちらで始めればいいですか?
多くの場合、まずは既存サービスで対応できないかを確認することをおすすめします。既存サービスで十分な場合は、無理にオーダーメイド開発を選ぶ必要はありません。
Q. 小さな会社でも導入できますか?
はい。1〜2名で運営している会社でも、必要な機能だけを選んで導入いただけます。大規模なシステムを想定したものではなく、会社の規模に合わせて範囲を調整できます。
Q. どの業界にも当てはまりますか?
この記事で紹介した5つの業務は、業種を問わず多くの会社に共通する傾向があります。ただし、業種によって優先度は異なるため、業種別の具体例もあわせてご参照ください。
Q. 導入にはどれくらいの期間がかかりますか?
見直す業務の範囲や、既存サービスかオーダーメイドかによって異なります。1つの業務に絞った場合は、比較的短い期間でご案内できることもあります。
Q. マダナイ?に相談する場合、まず何をすればいいですか?
まずはLINEから、現在の業務の中で手間がかかっていると感じる部分を教えてください。内容を伺いながら、優先的に見直すべき業務を一緒に整理します。
まとめ
AI導入を検討する際は、すべての業務を一度に見直そうとせず、まず時間がかかっている単純作業から着手することをおすすめします。
シフト・勤怠管理、予約・問い合わせ対応、書類作成、顧客・案件管理、売上・在庫の集計は、多くの小さな会社に共通して見直す価値のある業務です。自社に当てはまるものがないか、まずは確認してみてください。
大切なのは、一度にすべてを変えることではなく、効果を確認しながら少しずつ範囲を広げていくことです。まずは現在の業務を整理するところから始めてみてください。